天然姫と運命の翼


「あの、ここはどこですか?」

とりあえず、一番気になることを聞いた。

執事さんはにっこりしながら答えてくれた。

「ここは天空の世界を統治する、
マグナリンド王国です。」

・・・・・・・・・・・は?

聞き間違いだろう。

「あの、もう一度お願いします」

執事さんは今度は不思議そうな顔で答えた。

「天空の世界を統治する、マグナリンド
王国、ですが…?」

天空?

マグナリンド王国?

何、それ…。


ぽかーんとする私を見て、執事さんは
あぁ、と何かを思い出したように言った。

「そうでした。楓様は人間界にいらしたの
でしたね。それではわからなくとも
無理はありません。」

思い出すの遅いよ…。

「口で言うより見て頂いたほうが早いで
しょう。ついてきて下さい。」

「見るって…?」

「行けば分かります。
あ、申し遅れました、私、執事の
エドワードと申します。
アウゼ様にお仕えする者の1人です」

振り向いたエドワードは、よくよく見てみるとかなり整った顔をしていて、ドキッと
した。

でも、今はイケメンとの出会いを喜んでいる場合じゃない。

「あの、アウゼ様って…?」

「それも、見れば分かります」

謎めいた笑みをこぼすエドワードに、
私は従うしかなかった。