天然姫と運命の翼



あ、そうだったんだ…。知らなかった…。

「分かった。楓、と言ったか。まず、
顔を見せろ。」

と言われると同時に、顎を持ち上げられる。

こ、これが流行りのあごクイ!?

じっと私の顔を見ていたけれど、ポツリと
一言言った。

「……かなり可愛いじゃないか。初代姫君
そっくりだ…。」

何故か懐かしそうに言うハンム様。

なんだか、そんなに見られると恥ずかしい。

「あ、あの…?ハンム様…?」

赤くなりながらそう言うと、ハンム様は
少し笑った。

「ハンム、でいい。メイ様にも、昔は
そう呼ばれていたからな。」