天然姫と運命の翼

チュンチュンチュン・・・

眩しい光が私を照らし、目が覚める。

(ん…?夢…?)

目を開けると

見慣れない天井。

・・・・・・・・・・・・・・・・。

「うわぁっ!?」

がばりと飛び起きる。

(そうだ…。私、眠らされたんだった…)

周りを見渡す。

私は何故か知らない部屋の知らないベッドに寝ていた。

しかもとても豪華。一般人の私から見ても
高級品だと分かる。

「ここ、どこ・・・?」

とりあえず逃げないと。

どこだか知らないけど、監禁なんて
まっぴらだしね。

そう思い、扉のある方に足を進める。

(て言うか…。この部屋広すぎ!)

いくら歩いても扉が近づかない。
むしろ、離れていってるような・・・?

ピタリと足を止めて、ふと前を見る。

「え…。」

言葉を失った。

(扉が・・・遠くなってる・・・?)

目をこすって確認するけど、確かにそうだ。

はじめは扉まで15m位だったのに、今は
30m位になってる…。

「どどど、どう言うこと!?」

全力疾走してみるけれど、また遠くなっていく…。

「う、嘘でしょ…?」

へなへなと座り込んでしまう。

歩くと歩くほど遠くなる扉ってあるんだ…

(もしかして、帰れないの…?)

脳裏に、大好きな家族、友達、そして冴の
姿が浮かび上がる。

「帰りたいよッ…!」

泣きそうになったその時。