「あぶないところに、どうしてママは
行くの?側に居てくれないの?」
子供を置いてそんな危険な場所に行くなんて、母親失格だ。
そう思い、私は訊いてみた。
でも、女の子は首を振る。
「ダメなの。ママは、この世界を救う
『ひかりのひめぎみ』のしそんなんだっ
て。ママがいないと、平和は来ないっ
て、ママが言ってた。」
え……?
「あなたのママ、光の姫君の子孫なの!?」
「うん。でも、ご先祖様みたいな力は
持ってないんだって。だから、
『伝説の子』って呼ばれてたの。」
この子のお母さんが、『伝説の子』…?
そんなはずない…。
『伝説の子』は、私のお母さんのはずなのだから…。
私の、お母さん…。
………………ま、まさか…
「ねぇ、貴方とママの名前は?」
私がこう尋ねると、
女の子は笑って、言った。
「かえで!ほうじょう かえで!!ママの
名前は、ほうじょう なぎさだよ!」