思わず感嘆の声をあげる。

「ここになら、資料がありそう!」

「何の資料だ?」

背後から聞こえた鋭い声に、ビクッと体が
跳ねた。

振り向くと、案の定……。

「あ、アウゼ……。」

そこには私を見下ろす、氷の性悪王子。

彼は馬鹿にした笑いを浮かべながら
話しかけてきた。

「何故ここにいる?お前のようなバカが
このような高貴な場へ来るとは…。
暇すぎて可笑しくなったか?
それとも……」

アウゼは笑みを消し去り、静かに

「何か調べたいことでもあったのか?」

と聞いてきた。