「………奇跡だな。」

「………ホントだね。」

あれから歩くこと20分、私達は全く敵に
遭遇することなく、アジトの最深部に
たどり着いた。

これはホントに奇跡かも。

「ま、大方レンが根回ししてくれたんだと
思うけどな。」

あ、そうなの。

レンさんにはお世話になりっぱなしだなー!

「この奥に、反乱軍のボスがいる…。」

果てのない闇に吸い込まれそうで、
背筋がぞくりとする。

底知れぬ恐怖に震える手を、アウゼがそっと包み込む。