無言で歩く私とエドワード。

なんだか、姫について訊こうとすると
必ずはぐらかされてる気がする…。

「ねぇ、エドワード」

エドワードは笑顔でこちらを向く。

「…何でしょうか、楓様。」

「『姫』について教えてほしいの。」

ズバッと、単刀直入に訊いてみた。

エドワードは少し迷ったみたいだけれど、
決心したのか私の目を真っ直ぐに見て
答えた。

「……いつまでも隠すわけにはいきません
ね。しかし今日はもう遅いですから、
明日お話いたします。今日はもう
お休みください。」

何だか納得出来なかったけれど、渋々
頷いた。

「ありがとうございます。では、
おやすみなさい、楓様。」

エドワードは私を部屋まで送ると、一礼して帰っていった。

「はぁ…。気になるなぁ、姫の秘密。」

早く明日にならないかなぁと思いながら
ベッドに潜り込む。

よほど疲れていたのか、ベッドに入ってすぐ、私は眠りについた。