天然姫と運命の翼




「楓ちゃーん!?何かあったの!?」

ドタドタと、階段を上ってくる凪おばさんの声。

…空気読めーーーー!!

て、そんな事言ってる場合じゃない!

「あ、アウゼ!逃げないと…きゃっ!?」

アウゼは私をいとも簡単に持ち上げて、
窓を開けベランダに出る。

「楓……掴まってろ。」

耳元で囁かれ、思わずぎゅっとアウゼの
首にしがみつく。

「…いい子だ…。」

アウゼはフッと笑い、躊躇することなく、
ベランダから飛び降りた。

(お、落ちてるーー!?)