天然姫と運命の翼



「…なぜ泣く?」

「だって、アウゼ…わたしの気持ち、
迷惑って、言ったじゃん…。」

しゃくりあげながら、必死に言葉を紡ぐ。

アウゼは「ごめん。」と言った。

「…俺は、お前を守りたかった。
あんな危険な所にいたら、いつか死ぬ。
お前がそうなるんだったら、いっそ
この国は滅びればいいと思ったんだ…。」

!?

「アウゼ…」

「この身が朽ちようとも、お前が生きて
いるならそれでいい。初めて、そう
強く思った。だから…。」

「…私を、わざと突き放したの?
帰るように、仕向けたの…?」

あぁ、と力なく言うアウゼ。

グッと、拳を握る。

「でも、お前を守りたくてっ…!」