聞き慣れた低く冷たい声。


顔を上げると…、



とてつもなく整った顔。

黒い髪。

人を小馬鹿にしたような笑かた。



「よぉ。バカすぎて声も出ないか?」

その憎まれ口を聞いたとたん、涙が溢れる。

「ッ……アウゼェッ!!!!」

思い切り、抱きついた。

「い、いてててて!!おい、バカ女!
怪我人に抱きつくな!」

はっとして、アウゼを見る。

その体は、所々から血が出ていて
痛々しかった。