泣きそうになる。
勝手に飛び出して勝手に捕まって。
怒らない訳がない。
「ごめっ…」
謝ろうとした時、アウゼに遮られた。
「違う。」
えっ…
「お前に怒ってるんじゃない。
俺は、おれ自身に怒ってるんだよ。」
アウゼが、自分に怒ってる…？
「…なんで？」
悪いのは私なのに。
「…お前が知りたくもない事実を無理に
突き付けて、その上力を貸せと要求
した。お前がどんなに辛いか、分かって
いたはずなのにっ……！」
私の手を掴むアウゼの手に、力がこもる。
「ごめん、ごめんな…！俺、自分が
許せない…。」
きれいな涙がアウゼの頬をつたう。
