「…くそっ!!楓のやつ、何処に…!!」

走って飛び出していった楓を追って、俺は
城中を探していた。

(部屋にもいねぇーし…。)

「楓ーーー!!」

叫ぶと、偶然そこを通りかかった
エドワードが駆け寄ってくる。

「アウゼ様!?楓様が、どうかされたの
ですか!?」

「楓が…居なくなった。」

「えぇ!?」

そりゃ驚くだろう。つい数十分前には
部屋にいたのだから。

「み、見つからないのですか!?」

「あぁ。城中探したんだが…。」

こうしている間にも、あいつは離れていっている…。

「一体何があったのです!?」

「説明は後だ!楓を探すのを手伝え!」

「は、はい!!」

そう言って、走り出そうとした時…。


「予言の姫君だーーー!!」


「「!?」」

外から聞こえた男の声に、体が固まる。

(予言の姫君…。ま、まさか!!)

急いで翼を出し、城の扉へと向かう。

扉は開けっ放しになっている…。

タンッと降り立ち、外に飛び出す。

「楓っ……!」