「良かったよ、遅刻しなくて」

「うん!あのね!春人!春人?」

そう、呼びかけたのに答えない春人を

不思議に見上げた。

春人は誰かを見つめていた。

それは、愛しそうな顔でそして、悲しそうな顔をして見つめていた。

それは、まぎれもなく、奈央ちゃんだった