…なんか、いいな。
その風景をぼうっと眺めていると、なんだか目頭が熱くなって。
ぐっと堪えるけれど、それはどんどん込み上げてきて。
慌てて外にでる。そこには朔夜と朝陽がいて。こちらを見て、目を丸くしているのが歪む視界の中でもわかった。
「おい!?どうしたんだよ」
「ほんとに、大丈夫?」
当たり前だ、私だって今戸惑ってるんだから。
それでも、伝えたいことは明確で。
「違うのっ…ありがとう、って言いたくてっ!うまく伝わらないけど、本当に王龍に入って良かったって…おもって。」
きっと、他の族じゃダメだったと思うの。きっと、王龍だから受け入れてくれたんだと、思うの。
「あの時、助けてくれたのが朔夜と朝陽で本当に良かったっ…」
この瞬間も、私が言っていることをじっと聞いてくれている。
こんなに優しい人に出逢えて。
「苦しい事もたくさん、あったけどっ!…そんなの、どうでも良くなるくらい幸せなのっ…」
「だからっ、だからっ…」
「ん、俺も朝陽も栞と同じだ…」
「ひっ、く…うんっ、うん…」
「それは王龍の皆も同じだよ」
そうだ。きっと、私だけじゃない。ここにいる皆、同じ気持ちなんだ。
「また皆で海に行きたいし、こうやっていつも通り皆で集まりたいよっ…」
「あぁ。」
優しく、涙を拭ってくれて。朝陽なんてつられて泣きそうになってくれて。
「でもっ、でもね…!また、いつか終わっちゃうんじゃないかって、不安になって。」
そう俯くと、頭の上からくすっと笑い声が聞こえる。
「そんなこと、絶対にねぇよ」
笑っているのに、その言葉には説得力があって。
また目頭が熱くなったけど。今度こそ、ぐっと堪えた。

