部屋はとても広く、外装より落ち着いた雰囲気だった。
朝陽に促されソファにすわると、朝陽のお母さんがお茶を持って反対側のソファに座った。
「…大きくなったわね。帰って来てくれて本当に嬉しいわ。」
「実は、栞ちゃんが提案してくれたんだ。それで、今日は言わなきゃいけないことがあって…。」
そういうと深く息を吐いて、それから前を向いた。
口が開いては閉じて、迷っているようだった。
「俺、今暴走族に入っているんだ。栞ちゃんもその中に入ってて。」
黙って2人を見守る。
そこまで言うと、朝陽のお母さんはびっくりして目をぱちぱちさせている。
「でも、ただ暴れたいだけで入ったんじゃないんだ。きっと、世間から見れば絶対に間違えてると思う。けどこれをわかって欲しくて。…今日はそれを言いたくて…。」
朝陽は下を向いて喋らなくなった。
そりゃそうだろうと思う。だって、反対されたら族を辞めなきゃいけない可能性もあるわけだから。それに、家に戻ってこいって言われるかもしれない。

