「なんでっ!な、んで…私が悪い、のに、朔夜が謝るの…?私が我儘言ったからじゃん!なんで、迎えになんて、くるの…。」
「…あぁ。」
「ごめんな、さい。ごめ、ん…なさ、い。」
泣きじゃくりながら必死に揺らす背中をゆっくりと優しく叩く。
「ほんと、は恐かったの…!また、いなくなっちゃうんじゃないかって。凄く、恐かったっ…。」
「…っ。分かったから、俺こそごめんな。焦ってた。それ、栞にぶつけてた。」
今度は強く抱きしめる。
───
しばらく経つと栞が顔を上げ「ごめん、中入って」、と恥ずかしそうに言った。
部屋は、あまり物が置いてなくて栞らしいな、なんて思ってると、いきなり大きな声を出した。
「っ、よし!もう、この空気終わり。恥ずかし過ぎて、倒れるっ!」
呆気に取られたが、これも栞らしいのな。
「ふはっ…」
たまらず笑うと、栞も笑ってゆっくりと数時間前のように戻っていく。
「なぁ。それで、考えてみたんだ。栞の意見も正しい。だから、こういうのはどうだ?向こうが攻めてきたら、こっちも戦う。こっちからは手を出さない。」
「うん!それなら、いいと思う。…私もう1人考えてみたんだ。復讐って、なんだろうって。そしたら、もう何にも出てこなくって。許してるわけじゃないけど。だから、これからは族で戦おうと思ったの。ここにいられることが1番嬉しいから。」
そう言ってまた、笑った。

