「ねぇ朔夜!なにか、白牙の情報って入っていたりする?」



放課後、いつも通り倉庫に行き、久しぶりに幹部室に入る。



いくら幹部の皆と仲良くても、あまり出入りはしてない。そこのラインは自分でひいてるつもり。



だから、最近の白牙の動きもわからなくて。

私が馬鹿で見失っていた目的。


学校でもやけに大人しいし、なにかありそうな気もして。



「あぁ、それが全くと言っていいほど入ってこねぇんだよ。…『なにもない』というよりも、『隠してる』っつう感じなんだけどな。」




「え、どういうこと?」


意味が分からなくて、聞くとソファに座っている朝陽さんが説明してくれた。



「つまりね、白牙はおそらく突然俺たちを襲うってこと。真っ向勝負なんて白牙にとって不利でしょ?だから、いきなりきて準備していないところを襲うってわけだよ。」




「それってズルくない?」




「この世界に卑怯もなにもないんだよ。白牙はどちらかというと正統派だけど…それでもこのくらいはするさ。それに、あまり日が経つと、俺たちが警戒して作戦にならないから、きっと、抗争は迫ってるよ。」



そうなんだ…。



「抗争は思ったよりも近くなってきているんだね。」