この心地よい空間に慣れ過ぎてしまって忘れていた、とても大事な事。




『白牙との抗争が片付いたら』



朝陽の言葉に目が覚めた。



私はなんて馬鹿なのだろう。自分ばっかりで、本当の目的を見失っていた。



私が王龍に入ったのは白牙に復讐するため。それともう一つ。‘‘真実’’を明らかにすること。



皆といることが楽しくって。嬉しくて。この時間が続けばいいと思った。


だから。



全てを片付けて、全員でまた笑おう。



…幹部の間では、もう進んでいるのかもしれない。戻ったら朔夜に聞いてみよう。



「朝陽。…絶対に勝とうね。私たちのやり方は世間からみたらきっと間違っているのだろうけど。…最初から私たちは普通なんて知らないから。…私は王龍にいることを誇りに思っているよ。」



「あぁ。そうだったね。」



そう言うと何かに吹っ切れたように笑う朝陽がいた。