花言葉

この高校には同じ中学の奴も何人かいるし、どこかで知っても不思議ではない。

それに、俺と望美はただの幼なじみという関係。

特に秘密にする理由はなかった。

「幼なじみなんだよ」

「え?」

「結構仲もよかった」

「俺が、望美を遠ざけたんだよ」

俊には全て打ち明けた。

いや、全てと言えば語弊がある。

俺が望美を好きだということは言ってない。

「へぇー。んー、優翔は藤田さんが好きなの?」

「はっ?」

「あれ?違うの?藤田さんを守りたかったから嘘をついてまで藤田さんと距離を取ったんだよね?それって、好きだからじゃないの?」

完璧にバレてるのに言い訳するのもカッコ悪い、そう判断して、そうだよ、と答えた。

今の俺はスガに妬いてしまうほどアイツが好きだ。

「スガには言った?」

「いや。でも、アイツ気づいてると思う」

「マジで?」

実は、昇降口で望美を待っていたあの日、スガとも会って少し話をした。

俺を見て、振られちゃったよ、と泣きそうな笑顔で言った。

藤田さん、もうすぐで来ると思うよ。

スガはそう言って帰った。