藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

藤くんは手を出してくれることもしてくれなさそうだが一応期待して藤くんを見上げた。



「ドジ」



そう言ってそのままスタスタと下山しようとする藤くん。



「あっ藤く」
「拓也〜、ちょっと待ってよ〜」




私のダミ声は可愛らしい佐伯さんの声に呆気なく消されてしまった。



チッ、呆気なく作戦だ。


そう思って立ち上がると


「痛っ」



痛い。
右足が地味に痛い。
もしかしないでも、さっきの衝撃で本当に捻ってしまったようだ。