藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

しかし、勢いよく駆け下りたのはいいものの想像以上の傾斜に私はそのまま藤くんのすぐ横でかなり派手に転けてしまった。


わざとの予定だったのだが、かなりがっつり転けてしまったのだ。



「……何?」



私が上を見上げると藤くんがそれはまた冷え切った呆れた目で私を見下ろしていた。



「美波ちゃん!大丈夫!??」



佐伯さんの可愛らしい声も聞こえてきた。


さすがにこんなに派手に転けてしまったので周りの人たちにかなり注目されている。



「あっこんなの全然大丈夫だよ〜…あはは」



……しまった。


ほんとはここで歩けないからと藤くんに甘えるところだったが、恥ずかしさで結局思惑と全く違うことを言ってしまった。