藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】




***



下山中。私は藤くんの姿を探していた。



思えば行きのバス以外に絡みなし。



せっかく来たのに、これじゃ遠足に来た意味ない。



そう思いながら下山していると前方に背が高くて顔の小さな藤くんを発見した。



後ろからも感じ取れるイケメンオーラ。



その姿をうっとりしながら見ているとそのすぐそばに細身のモデル体型女を確認した。



佐伯さんである。



今回は出番がないかと思ったのに。



二人とも楽しそうにおしゃべりしてる。



藤くんは佐伯さんといると本当にいい顔してるんだよね。



私には絶対しない顔。



あぁ、やばい。
私の心の底にあるどす黒いものがフツフツと湧き上がってくるのを感じた。