予想外のことを言われて頭が回らなくなっていた。


その発言ってもう佐伯さんのこと好きだから俺のこと諦めろってことだよね…


そう考えてると目に熱いものが溜まってきた。


私、藤くんと同じクラスになっても全然いいことない。


佐伯さんと一緒に話してたり、一緒の委員になって仲良くしてたりするの目の当たりにして…


藤くんの目には私は全然映ってないっていうのを知らされただけなんだもん…



「……あと1問だし、後は一人でする。藤くん帰っていいよ。今日はありがとう」



私は下唇をギュッと噛み締め、シャーペンを握り直した。



「………あっそ。じゃあ、俺帰るわ」



そう言うと、藤くんはガタッという音を立て椅子から立ち上がった。


窓からは春の風が入ってくるのを感じた。

私はその瞬間涙が頬を伝った。