藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

藤くんは続けて言った。



「付き合うよ」


「えっ?」


「付き合うことにした」


「ええええええええー!!!」



なんでなんでなんでなんでー!
やっぱ藤くんも男なんだ。
美人に言い寄られたらすぐにコロっといっちゃうんだ。
藤くんなんて藤くんなんて



「嘘だよ」


「へっ?」


「だれか知らねーやつと付き合う訳ないだろ」


「あぁ、そうですか…」



そうだよね。
よかった。
私は胸を撫で下ろした。



「クックックッ…」


!?

藤くんがなんだか怪しく笑ってる!?



「何その百面相…マジでウケるな。お前」



…どうやら藤くんは私の顔が相当面白かったようだ。



こんな美人でもない変な顔に産まれて親を恨んだこと何百回だが、藤くんをこんなにも笑わすことが出来たことは誇りに思おう。
お父さん、お母さんありがとう。