藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

「実は美波ちゃんのこと知ってたのも拓也が原因なんだ」


「え?どういう意味…?」


「拓也はずっと……美波ちゃんのこと、目で追ってた」


「え……?」



うそ……藤くんが私を……見てた?



「ずっと拓也のこと見てたから分かったんだ。拓也の視線の先には……いつも同じ女の子がいた。それで美波ちゃんのことずっと気になってた」





「だから拓也も美波ちゃんのこと……好きなんだと思うよ」



佐伯さんは笑顔で私に言ってくれたけど。

それでもやっぱり声が少し震えてた。



「自分の気持ち言えなくてごめんなさい」



佐伯さんは泣く私に「泣かないで」と言ってくれた。


たぶん泣きたいのは佐伯さんの方なのに……私何で泣いてるの?


今日の私、涙腺弱すぎだろ。


私、なんか、最低だ。



「じゃあ、ほら!拓也待ってるよ!」



そう言って、佐伯さんは背中をポンと押してくれた。



「佐伯さん……」



……ありがとう。



「あと、佐伯さん……」


「なに?」


「みどりちゃんって呼んでもいい……?」



佐伯さんは「もちろん」と明るく私に笑いかけてくれた。


その目には薄っすら光るものがあったけど、私はそれについて何も言えなかった。



ありがとう……みどりちゃん。


本当にありがとう。