藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

私は例の体育館裏にまで佐伯さんを連れてきた。


佐伯さんは藤くんのことが本気で好きだ。


だからこそ、私もちゃんと言わなきゃいけない。


そう、思った。



「……ずっと言えなかったけど、私、藤くんのこと好きなんだ」



反応が怖かった。


別に佐伯さんのこと協力したり、嘘ついたわけでもないけれど…


私の気持ちを正直に佐伯さんに伝えたことはなかったから。


冬の冷たい空気が頬をかすめた。



「……知ってたよ」



地面ばかりみていた私は、その予想外の言葉にハッと顔を上げた。



「気づいてた。気付いてて知らないふりしてたんだ。嫌な女でしょ」



そう言って天を仰ぎながら、自嘲気味に佐伯さんは笑った。