藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

「……分かるだろ」


「分かんないよ」


「………からだよ」


「え…?」



小さな掠れた声で言うから、聞き取れなくて思わず聞き返した。


すると影山修二の瞳はまっすぐに私を捉えて言った。



「お前が好きだからだよ」



ーードキッ



胸の高鳴りを抑えようと咄嗟に目を足元に逸らした。



「え…、だって前聞いた時は違うって、だって、あの…」


「いきなり授業中に聞いてきて言うわけねーだろ」



私はゆっくりと正面にいる影山修二へと視線を戻した。



「好きだ」



そう言った影山修二からの視線があまりにも真剣で。


冗談でしょ、なんておどけた反応なんかできなくて。


その言葉にたぶん嘘偽りはないんだろうってわかった。


他人から『好きだ』なんて言葉を言われたのは初めてだった。


告白はされたことはあったけど、初めて告白をしてくれた佐藤は「付き合う?」みたいな軽いノリだったし。


藤くんからなんて好きとか付き合うなんて言葉は一つもなかった。


こんな風にまっすぐに告白されたのは本当に生まれて初めてで。


ほんの……ほんの少しだけど


心が揺らいでしまいそうになった。



でも……私は……