藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

藤くんと半分ずつ仲良くワークを分け合い、教室へ続く廊下を歩いていく。


ただやっぱり機嫌悪そうな気が…


私は藤くんの顔をチラッと盗み見る。


「今日、朝玄関いなかったな」


「ええ?あ、そうそう。酒井先生に話があって」



あはは…と笑ながらごまかす。


ごまかす?


いやいや、これは嘘じゃない。


決して嘘ではない。



「ふーん。話って席替えのこと?」


「うん。そうそう。ってえええ?なんでそれを!?」


「つーか、あんな大声で話してたら外まで筒抜けなんだけど」



そっか……私は知らず知らずの間にそんなに声を荒げていたのか。



「なんで今更席替え?」


「へ?」


「だからなんでそんな急に席替えがしたくなったんだよ」


「えっ、そ、それは…あ、ほら、あの、藤くんと隣になれたらいいなーって思って!」


嘘じゃない。これも嘘ではない。


少なからずもそういう下心はあったのだから。



「ふーん。俺はやだけど」



そう言って、長い足で歩みを速める。


そうすると、私は追いつけないじゃないか。



「ま、待って〜!!」