藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

真冬の夜の空気はどこか凛としていた。


今日は猫もさぞかしコタツで丸くなっていることだろう。


吐く息ももちろん白くなって。


私は凍える両手をコートのポケットに突っ込み、ぐるぐる巻きに巻いたマフラーに少しだけ顔をうずめた。



「送ってくれなくてもよかったのに」


「仮にも一応女だからな」


「影山修二が優しくてなんかキモい」


「なんだよ。キモいって。俺はいつも優しいだろうが」


「え、どこが」



そんなバカみたいな話ばかりしていると、真冬の夜道も何だか楽しくて。


あっという間に駅のロータリー近くまでやってきた。