藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

「でね、お昼の時にね」


「………」


「麻美さんと話してたらね」


「………」


「って藤くん、聞いてる?」



私は藤くんの顔を覗き込む。



「それ、俺が聞かなきゃいけない話?」


「藤くんには全部話したいのー!」



私は頬を膨らます。ちょっとぶりっ子みたいでキモいけど。



「……はいはい。わかったよ。で?」



そんな私に藤くんも降参したようだ。



「あ、えっとね、その時また隣の影山修二がガッって前の机蹴ってたんだよ」


「……影山?」



藤くんの足がピタッと止まる。



「ほんと野蛮で怖いよね……って、藤くんどうしたの?」