藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

扉の柱にもたれ掛りながら文句を口にする人物。



「どわっ、ふ、藤くん」


「何だよ。その驚き方」



そ、そりゃアナタ、驚くでしょうよ!



「帰るぞ」



そう言って、私に背を向け、いつものように長い足をスタスタ前へ進める藤くん。



「え、は、はい!」



私もそれに食らいつくように小走りになりながら歩いていく。



「えへへ」


「顔緩みすぎ」



うゔ……



「だってー……」



本当に…


本当に信じられないんだもん。


藤くんが待っててくれたこともそうなんだけど。


大好きな人とこうやって両想いになって。


一緒に隣で歩けて。


これ以上の幸せほかにないじゃん。