「ま、よかったね。おめでとう」



そう言って、麻美さんは稀に見る満面の笑みで私を祝福してくれた。


何だろう。
この気持ち胸の奥がキュンと疼くこの気持ち。



「あーさーみーさーん〜!」



最近涙腺が崩壊中の私は大泣きで麻美さんに抱きついた。



「離せ。冬なのに暑苦しい」


「冬だからいいじゃん」


「冬だけど嫌なもんは嫌だ」


「親友になんてことを」


「親友?どこに?」


「さすがに泣く」


「うそだって」



ーーーガッ



私の右横からまた何かを蹴ったような嫌な鈍い音が聞こえてきた。


それと同時にどす黒いオーラのようなものも感じる。


怖すぎ。


恐る恐る横をチラッと確認した。



「さっきからギャーギャーうるせーし。ちょっとは黙れないのかよ」



ひぃーー!!!


影山修二がまた私をいつものように眉間にシワを寄せながら睨みつけている。



「……す、すみません……」