そっか。


やっぱり私の妄想だったのか……


おかしいと思ったんだよ。


藤くんが私のこと好きなんて。


そんなこと現実にあるわけなーー



「そーいえば」



藤くんがわたしの心の声を遮る。



「昨日、お前鼻血出して倒れてたよ」


「あ、そうなんだ…………って、えええーーー!!!?」



昨日の出来事を振り返る。


私、あの後、倒れてたの……?


私は藤くんを見つめると、藤くんは目を細めて、フッと笑いながら言った。



「俺がキスしたあと」



私はその言葉を聞いて、さっきの青ざめた顔から一転、どんどん顔が火照ってきた。


キスされて、興奮して鼻血出して倒れたって……


恥ずかし過ぎでしょ!!!



そんな私を見て藤くんは笑みをこぼしながら、私に背を向け、教室へと足を進めようとした。


私はおもむろに自分の唇に触れた。


じゃあ、キスしたのって……ほんとなんだ。