藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

影山修二は口を開いた。


「冗談じゃなくて本気だったらいいわけ?」


「え?」


私は影山修二が言ったことが咄嗟に理解できず、頭の中でその言葉の意味を噛み砕く。


冗談じゃなくて本気でって……?



「なになになに。また変な冗談やめてよ」



私は半笑いで影山修二を軽く叩きながら言った。


しかし。


あろうことか、叩いていた私の右腕を影山修二は掴んできた。



「え……?」



私を見つめる影山修二の瞳は真剣だった。

その真剣な眼差しに不覚にも胸がドキッとしてしまう。


文化祭の準備でざわつく教室。


そのざわめきは廊下まで聞こえくるはずなのだが。


それなのに私と影山修二がいる空間だけはなぜか無音のように、まるで時が止まったかのように感じられた。