藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】




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「昨日は派手にやっちゃったみたいね」



朝、私が席に座った途端、口頭一番麻美さんに言われた。



「麻美さん……誰から聞いたの?」


「ケインから」


まっそうじゃなくてもこの噂でたぶん知ることになっただろうけどね、と麻美さんは言う。


私は瀬川くんとのことだけでなく、藤くんとの件のダブルパンチで今までの人生の中で一番と言っていいほど凹んでいた。


そして机の上で項垂れていると、右側で椅子を引き、鞄を置く音が聞こえた。


影山修二は今日は来たようだ。



「影山、アンタさ、きの「麻美さん!!」



影山修二に話しかけようとする麻美さんの声を遮った。



「あ?」


「あ、いや、なんでもないよ!おはー!影山修二」



影山修二は怪訝そうな顔つきで空元気な挨拶の私を見つめてくる。



「アンタ、何でもなくないでしょ!影山が関わってんだから」


「……なんだそれ」


「だ、だからなんでもないよ!あっ酒井先生がやってきた!」



見計らったようにグッドタイミングで現れた酒井先生の姿を確認した麻美さんは私に向かってバカと小声で言いながら渋々席へ戻った。


しかし、右側の影山修二の視線が痛いくらい体に刺さってくる。



「……なんだよ。なんかあったのかよ」


「いや、なんでもない、なんでもない」


「ふ〜ん……」