紅葉もしっかり紅く色付き始めた11月。



「誰かいい案はありませんかー?」



私は教室で大声を上げていた。


秋といえば文化祭。


それなのに、どうして体育委員はいるのに文化祭委員はいないのだろうか。


騒がしい教室、そして誰も私の話など聞いてくれない中でそんなことばかり考えていた。


文化祭委員が存在しないとなると自動的に学級委員長が司会進行役となっていた。


肝心のもう一人の級長はというと…



「ケイン、マジうけるわ〜」


「だろ〜?」



教卓前の瀬川くんとイチャついていた。


お前も働けよ!!!



そう、私を助けてくれる王子様はいないのだ。



私は微かな望みを藤くんに託した。


一番後ろの好ポジションの席に位置している藤くん。


その姿を確認すると何やら下を向いている模様だ。


一体何してるんだろうか。


私は注意を凝らして見てみると。


藤くん、










…………漫画読んでる。