藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

ーーー翌日。


いつものように下駄箱にて藤くんを待ち伏せ…じゃない、出会う予定。


いつもと変わらぬ朝の光景。


のはずだったのだが。



「邪魔なんだけど」



そうそう!



このいつにも増してドスが効いている声は、私の愛しの…



「げっ」



そこには藤くんと同じく高身長だが、茶髪の少し長めの髪。


耳にはピアスが輝いてる。


制服はもはや原型ありますか?というくらいの着崩しようの影山修二がいた。


コイツ、いっつも学校サボるか、来たとしても遅刻か遅刻ギリギリのくせになんで今日はこんな早く来てんのよ!



「こんなとこに突っ立って何してんの?」


「え、いや、別に誰か待ってるとかじゃなくて、えーっと、えーっと……」


「あぁ…藤、待ってんの」



げっ、なんでバレてんの…


いつもご苦労様、などと悪態をつきながら、上履きに履き替えている影山修二。



「ぷっ」



ヤツがいきなり笑い始めた。



「はっ?いきなり何?」


「お前なんか顔についてるけど」


「ええっっ!!!」



私は顔を触った。



「口元のへん、なんか茶色のついてる」



こ、これは…


今日朝からお好み焼き食べたせいだ!!!


父親が広島出身でうちは朝からお好み焼き食べるんだよな。


ソースがついたままだったんだ。


でも藤くんが来る前でよかった。


一応セーフ……



「普通鏡見てから学校来るだろ。女子としてそれどうなの」



失礼極まりない発言には無視をし、私は制服の袖で口元の汚れを取ろうとした。



「そこじゃねぇよ」



影山修二が私の顔に触れようとした。



その時。