「なんだ、これ?」


朝、私はいつものように藤くんの歩幅に追いつくため小走りになりながら藤くんの後に続いて教室へと入った。


すると何やら黒板の前でざわめく生徒の集団。
というか主に男子。



「美波、おはよ」


「あっ、麻美さん、おっはー」


何十年か前の流行語を未だに使っているのはこの学校では私だけだ。


「そしてこの賑わいは何ごと?」


「あぁあれね。なんか馬鹿な男子どもがうちのクラスの女子の人気投票をしたらしいわよ」


「は?なんじゃそりゃ!」


「まぁケインがやったらしいんだけど」


ほんと馬鹿だよねと呆れている麻美さんを横目に私は席に鞄を置いた。


確かにバカすぎる。
小学生じゃないんだから。