藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】

私は藤くんが目の前に現れたことに動揺し、ケインの口から両手を筈してしまった。



「あっ藤、川嶋がさ、影山と映画見に行くんだって。お前も行ってやれよ」



ってケイン!
お前なんで重要な部分を略すんだ!!!



「違う!!!影山修二だけじゃなくて赤井さーーー」


「へー、そうなんだ」



いつものあの冷淡なセリフで私の言葉をいとも簡単に遮る藤くん。



「何。俺も行っていいの?」


「えっ!」



私と一緒に行ってくれるの!?


という期待で一瞬胸が弾んだが、それはすぐに恐怖へと変貌した。



「いいいいいいや、今回はケインが行くって言ってるし、藤くん大丈夫だよ」


「いや、俺行くって言ってないだろ。つーことで、藤、よろしくな」



そう言ってケインは自分と身長差のある藤くんの肩を無理に叩き、立ち去ってしまった。



「ちょ、ちょ、ちょっと待って!お兄さん!」



今流行りの芸人のギャグみたいに叫んでしまった。



「で?」



ケインを追いかけさせないように私の前に立ちはだかる藤くん。


一応某ファーストフード店にいる定員並みのスマイル0円ですよと言わんばかりの笑顔を見せている。


……だけど目の奥が明らかに笑っていない。



「はははははははは」



引きつり笑顔の私。


ーーーー悪寒がする。