オフィスの華には毒がある

そして、もう一つ。


あの、レイプ未遂のようなとんでもない事態以降、全くと言っていいほど接点の無かった斉木くんからアクションがあって。


アクションと言っても、内線がかかってきただけなんだけど。


環から、後で伝言を聞いて、それっきり。


別に、かけ直してくれとも言われていないし。


それだけなんだけど、凄く嫌で。


顔も見たくない。
声も聴きたくない。
一生関わりたくない。それが本音。


後から思い出せば思い出すほど嫌になる。


たまに、斉木くんの同期らしき若い人を社内で見かけることもあるけれど、あちら側は、もともとわたしに興味があるわけではなく、あの『遊び』を楽しんでいただけだから、なにか言われることもなく。

きっと、わたしがあの賭けの対象だったことなんて忘れてる。