オフィスの華には毒がある

誰?と思うより早く、身体がふわりと軽くなる。

あ、誰かがわたしの腕から斉木くんの腕を引き剥がして、間に入ってくれている。

……助かった。


「……何してんすか」


「いやこっちの台詞だけど」


「こんなホテル街に来るんですね、主任も」


……しししししし主任?!


わたしに背中を向けていてよく見えないんだけど、何、この人嶋本主任?!


思わず回り込んで顔を確認しようとするわたしなどお構いなしに、二人の話が続いていて。


「社内の女全員手を付けます、みたいな契約でもしてんの? 」


「……はぁ?……俺、人待たせてるんで帰ります」


ひょこ、と覗くと、斉木くんがすたすたと歩いていく後ろ姿が見えて。


……あれ?すたすたと歩く??泥酔してなかったっけ?


この数分に起こったことが、全く飲み込めていないわたし。