オフィスの華には毒がある

「主任なんかに、邪魔をされなければ、俺達は今夜会えるはずだったんだ」


……いや、邪魔っていうか、仕事だし……ていうか本当に痛い。


愛しくて抱き締める、とかのレベルではないような。


「あ、ごめん」


急に我に返ったらしき斉木くんが腕の力を緩める。


「会えたことが嬉しくて、つい……」


「結香達との飲み会は?」


「だからもう、抜けてきたんだ。那奈さんが残業してるって聞いて」


??何言ってんの、斉木くん。


なんで、わたしに会えて嬉しいの?


え、ていうかわざわざ会いに会社に戻ってきたの?なんで??



わたしの釈然としない思いなんて、全くお構いなしに斉木くんの手が延びる。