オフィスの華には毒がある

ご機嫌に鼻唄を歌いながらふらついていた斉木くんの足取りがぴたりと止まる。


「俺も、したいですよ、キス。どこでします?ここでします?あ、ラブホがある。入りましょう」


……は???


いやいやいや、キスしたいとか、言ってない。
ていうか何言ってるの?
入りましょう、じゃないよ、なんなの?


頭の中では拒否の言葉や疑問の言葉が涌き出ているのだけど、何故か口がうまく動かない。


ていうかあんた、酔っ払ってるんだよね?あ、そうか。
酔っぱらっててワケわかんなくなってるんだ?


わたしを誰かと間違ってる??受付の美人さんとか、新人のかわいこちゃんとか。


いつもこんな感じでヤっちゃうのかな、斉木くん。

噂通りの、感じ。


斉木くんにまさか誠実さを求めていたのか、心のどこかでがっかりしているわたし。