オフィスの華には毒がある

こほん、と咳払いをして、主任がベンチに座り直す。


「俺ね、2次元の人に恋をしてたの」


……え?!アニメとかそういうやつ?あ、やっぱそっち系?!?!


「……はぁ」


「あ、間違った、なんつーの、ネット上の人に」


いや、大差ないですよ、それ。心の中でつっこみつつ。


「あー、違う、うまく伝わらない、一旦仕切り直させて」


もう好きにやってくださいよ。そんな気持ちで頷く。


「こっち、あれだ。風向きが悪い。そっち座らせて」


主任が有無を言わさず隣に座る。


ふわ、と優しい香りがして、フラれている真っ最中なのに、温かい気持ちになる。

わたし、この人のこと、ちゃんと嫌いになれるかな。