オフィスの華には毒がある

ドギマギするわたしをよそに、主任が涼しい顔で、わたしのお勧め、塩バターリュスティックをちぎる。


「やばい、これマジで美味しそう」


「いや、フラれたってなんですか?」


のんきな様子が信じられなくて、ついつい声を荒げてしまう。


「ん?お気に入りのバーがさ、臨時休業で。金曜の夜に休むとかどんだけやる気ないんだ、っつー……自家製のビールとか出すんだぜー、つまみも美味しくてさぁ」


ああ、バーか。
バーにふられたのね。紛らわしいこと言わないでってば。


「ああ、ヤバイ、これ。ちょっと温めて食べたい!てことは、こっちのオリーブたっぷりフォカッチャも、絶対うまい!!」


ほっとするわたしをよそに、もりもりとパンを食べる主任。


「あー、やっぱワイン買ってくればよかったなーー」


「あ、いいですね、それ」


思わずのってしまう。