オフィスの華には毒がある

ああもうすぐ就業時間が終わってしまう、とのろのろと動き出す。

自分のデスクに戻らなくちゃ。


……あれ?
なんでフェロモンさんはわたしが斉木くんを『もてあそんだ』なんて言ったんだろう?


あの、カフェで鉢合わせしたとき、わたし達は確か手を繋いでいたから……。
パッと見、きっと、恋人同士に見えた。


それに。みんなにモテモテ、チャラチャラしている斉木くんが、わたしを『もてあそぶ』のならともかく……わたしが『斉木くんをもてあそんだ』っていう言い方。

なんか、変だ。


……フェロモンさん、何か知っている?


だけど。それを、確かめる術をわたしは持ち合わせていなくて。


早く戻って残りの仕事をやっつけるくらいしか、出来ることがない。


複雑な思いを抱えながら、会議室を後にした。