オフィスの華には毒がある

「あと……わたしに誤魔化すとか何とかって、聞こえたんですけど……」


「そりゃあもう、あれだろ……酔っ払っててワケわかんないんだろ、塩井」


……訳が分からない、と言うほど酔っ払ってはいなかったような。
そんな状態じゃ、環を送れなんて主任だって言わないくせに。


なんか変。


「あーーーーーもーーーーーー!!!」


がりがりがり、と頭をかきむしる主任。


「どうかしました?て言うかわたし達、ずっと道端で話し込んでますけど、帰りません?」


「だよな、よし、うん、帰ろう」


「はい」


どちらからともなく、駅の方面に足を向ける。


ああ、やっぱり、″もうすぐ夏だ″って感じのするこの夜の空気感、好きかも。


「……あのさあ」

主任の声につられてそっちを見れば、さっきの『あーもー』が効いていて髪の毛がもしゃもしゃになっていて。