オフィスの華には毒がある

「……て、……ろ?」


「はい?」

すぐそばの道路を車が走り抜けるせいか、主任の声がよく、聞き取れなくて。


「遠藤さんが遅くまで残ってて、襲われたら困るだろ?」


な、何言っちゃってるの??


「わたしが、何に襲われるんですか?熊?」


主任が、心底バカにしたような顔でわたしをチラリと見る。


「反省したんだよねー、好き勝手やってたら、その隙に遠藤さん社内でヤられそうになってんだもん……」


あ。それか。
寧ろ、忘れていた自分にびっくりだけど。


「俺ね、今酔っ払ってるから」


いきなり何の宣言だろう。
話の流れが読めなくて、静かに続きを待つ。


「だから言うんだけど、多趣味なの」


……いやいや、意味が分かりません。