オフィスの華には毒がある

二人して、いつまでも道路の方を並んで向いているのも何だか不自然で。


「……そんなにわたしと残業するの、嫌でした?」


聞きたいことは色々とあるけれど、まずはこれでしょう。


今受けたばかりのホットな傷口を再確認する。だって、あんまりだよね?

部長すら欺いて、その理由が『遠藤さんと残業したくないから一人でやりました』じゃあ、わたしが、あまりにも惨めじゃない……。


「……いや、そういうのは、全然……」


ぶつぶつもごもごと、独り言のように呟く主任。


「わたしだって、文句こそ言うけれど、社会人ですよ?与えられた仕事はきちんとやりますよ?」


「勿論、そんなこと、わかってるよ……」


なぜうなだれる?

主任は、言葉をあてるなら『しょんぼり』といった風情で斜め下のアスファルトを眺めている。