オフィスの華には毒がある

「あ……し、塩井くん何か慣れてますね、酔っ払いの扱い。自分だって相当酔ってると思うんだけど」


わたしと並んで、同じくタクシーの去った方角を眺めていた主任に声をかける。

沈黙が怖くて、だからってどうにかしてその間を埋めようとする、そんな自分が情けないと思うんだけど。


「あー?なんか、ガチガチの体育会系サークルで、飲みに関しては学生時代滅茶苦茶鍛えられた……って言ってたような言わなかったような……」


「なんですかその曖昧な情報」


「飲みながら聞いた後輩の思い出話を完璧に覚えてる奴の方がキモいだろ」


そりゃまあ確かに。でもなんか、そんな相槌を打ったら負けのような気がして。



「……この際だから色々とお聞きしたいことがあるんですけど」


「バストはEの65です」


「……マジですか」


「遠藤さんって変なところ純粋だよね。アンダー65も、Eカップも、受け止められると逆に困るだろ」


……すみません。